株式会社テンアローズ

風車は高さが大切!

地上に吹くスムーズな風の流れは、様々な障害物や地形により、大きく妨げられます。 
この妨げは、ウインドシア(Wind Shear)乱流(Turbulence)という2大現象をもたらします。

ウインドシアは、地表に近いほど大気が摩擦の影響を受け、さらに障害物により減速されることを説明しています。したがって、風速は地表に近いほど遅く、地上高さが上がるにつれて早くなります。ウインドシアは、ラフな地形でより顕著となり、見通し良いスムーズな地形では少なくなります。
乱流とは、風が樹木、建物、もしくは特徴的(急峻)な地形などの障害物上空を通過することによって引き起こされる、本質的に乱れた気流のことです。

ウインドシア(Wind Shear)

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乱流の風は、ローターブレードへの空気力学的作用を減少させ、発電出力を減少させます。また乱流は振動を増加させ、風車へより大きな歪み作用を与えます。

 
乱流 (Turbulence)

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乱流(タービュランス)は、ブレードの空力効率を低下させ、発電性能を低下させます。

これらウインドシアと乱流、両方の影響は高さにより減ずるため、シンプルに風車を充分に高い位置に設置することで、より効果的に克服することができます。
これは可能な限り高い地表面に、可能な限り高さのある実用可能なタワーを設置し、そこへ風車を取り付けることによって達成されるものです。 最低限、風車が障害物の高さより12m以上にあり、なおかつ発生確率の高い風向100m以内(可能であれば全方位が望ましい)にこれを超える障害がない場所へ風車を設置して下さい。
平坦な場所あっても、Excel10用のタワー高さは最低24m以上、Excel 1 では、最低18m以上の高さをもつタワーに設置することを推奨します。 樹木が立ち並ぶ場所では、木の成長を見越し、周辺の木の成熟高さを考慮し、それに合わせタワーの高さを確保して下さい。
風車の発電量は、風速の3乗で増加します(例:風速が2倍となると、発電量は(2×2×2=8)8倍となります。)従って、平均風速の微増でも、長期的な観点では、発電量に非常に大きな増加につながります。
下記の図はExcel10風力タービンを典型的な内地で使用した場合、タワーの高さが年間エネルギー出力にどう影響するかを示します。

 

タワー高さ
(m)
ハブ高さ平均風速
(m/s)
年間予想発電量
(kWh)
年間売電価格
(円)
18 5.28 15,850 941,491
24 5.67 19,156 1,137,895
30 6.00 22,016 1,307,750
36 6.22 24,530 1,457,059
タワー高(地上高)別風速とエネルギー出力表


結論:風車を低く設置することは、ソーラーを日陰に設置するようなもので、風車の設置コスト検討の際は、その高さを十分考慮することが大切です。

現在、標準で地上高30mのタワーを用意しております。
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、全国の風況データを地上高30m以上の地点のデータで公開しています。30m以上でデータ計測しているのは、風速が安定していて、風況データの信頼性が高いためです。
地上高30mで、力強く安定稼働をつづけるExcel10だからこそ、多くの地域で実用的な発電実績があるのです。